RTX1200のIPsecスループットとCPU負荷を計測

前回の記事では、RTX830とRTX1210のスループットとCPU負荷を計測しました。
RTX830とRTX1210のIPsecスループットとCPU負荷を計測 - RamuneMemo

今回は、RTX1200のIPsecスループットとCPU負荷を、ローカル環境で計測してみました。
比較のため、IPsecなし(単なるルーティング)のパターンでも計測しています。
現実的に発生しやすい通信を対象とするため、SMB(Windowsファイル共有)で約5GBのファイルをコピーしています。

環境

ルータ1: RTX830 Rev.15.02.25
ルータ2: RTX1200 Rev.10.01.78
PC1: Windows 10 Pro
PC2: Windows 10 Pro

IPsecなし

構成図


スループットとCPU負荷

スループットは約830Mbpsが限界で、ところどころ約620Mbpsに速度低下しています。
CPU負荷はRTX830が約40%、RTX1200が約90%でした。

転送中
転送完了

RTX1200の仕様上の最大スループットは1.0Gbit/sとなっていますが、理論値に近い速度を出すのは厳しそうです。
CPUがボトルネックとなっている可能性があります。

IPsecあり

構成図


スループットとCPU負荷

スループットは約142Mbpsで安定しています。
CPU負荷はRTX830が約15%、RTX1200が約100%でした。

転送中
転送完了

RTX1200の仕様上のIPsec最大スループットは200Mbit/sとなっています。
これらは「AES+SHA1利用時の初期出荷バージョンでの測定値(双方向)」とのことなので、同じ設定にすれば今回の結果よりもIPsecスループットが向上したり、CPU負荷が低下したりするかもしれません。

IPsecに関するコンフィグの抜粋

今回の計測では、IKEv2、AES256+SHA256をそれぞれ設定しています。

tunnel select 5
 ipsec tunnel 105
  ipsec sa policy 105 5 esp aes256-cbc sha256-hmac
  ipsec ike version 5 2
  ipsec ike encryption 5 aes256-cbc
  ipsec ike hash 5 sha256

CPUの仕様

RTX1200は300MHzシングルコア(MIPS)です。